social innovators

一般市民が感じている社会変化を読みとりたい人向けキュレーション サイト

一般市民が感じている社会変化を読みとりたい人向けキュレーション サイト

クラウド時代のコンサルタントの気持ち

昨日の「エンジニアの気持ち」に続き考えてみました。コンサルタントはどうなるのだろうかと。

 

「これまでのシステム開発、ふりかえり。。。」

 これまでシステムを導入するためには、まず業務要件を整理し、業務プロセスを組み立てなおし、さらにITのルール(機能要件やシステム要件)に置き換え、設計・実装するというながーく、専門的な工程を踏む必要がありました。

 (SEあらため)ITコンサルと呼ばれる人々はハードウェア、ミドルウェア、DB、アプリから、時にはLANの設計に至るまで広範囲のITリソースの調達やインテグレーションが必要とされてきました。もちろん一人ですべてこなせるということは少なかったのだと思いますが、世の中的にすべてできるスーパーな人を創り出そうという時代もあったと記憶しています。(今から10年前ぐらいでしょうか。。。)

 

 これまでのシステム導入では、前述のようなのような工程が必要になっていたため、経営者やユーザーが求めているサービスを手に入れるには長い時間と情報伝達を行う苦労がありました。またちょっとしたシステムの変更についても専門家がいない状態では容易に解決できないという状況がありました。

 端的にいえば「システム開発者<--->(コンサル)<--->顧客」みたいな関係性の中でなかなか業務的に「やりたいこと」と「実現されるシステム」とのGapも大きかったと考えてます。

 

 近年、アジャイル開発やプラットフォームの進化により、発注側のニーズにより近い業務システムを以前より短期間で、よりたやすく手に入れることが可能になってきました。

 とはいえ、まだ自社の要求を満たすアプリケーションを早く手に入れ、ビジネスの早期成功につなげたいというニーズを満たす水準には、なかなか至っていないように思います。(AppStore等で展開されるコンシューマー向けアプリについてはこの限りではないと思いますが、、、)

  

 

「コンサル会社を中心に盛り上がっているような気がする? XaaS」

 

 エンタープライズレベルでは、コンサルティング会社を中心にPaaS、特にSalesforce社が提供するForce.com等のプラットフォームを使って軽やかに基幹システムの再構築をコンサルティングとともに手早く成し遂げる成功例も出てきています。  

 これまでの大型SIありきのコンサルから、プロセス変革とシステム導入の足並みそろえて進めていく工程はコンサルティングサービスの「あるべき」に近づく好例のような気がします。

 特に要件定義の中で、画面イメージだけでなく、実際に動くものや最終成果に限りなく近い形を提案しながら進めるやり方は、ユーザーにとってはわかりやすく目線がずれない点で素晴らしいと思います。

 

 いろいろな専門家の方にお話を聴きますが、現時点ではまだこのPlatform(Salesforce)に匹敵する手軽さで、高度なアプリケーション構築できるソリューションはないようです。(個人的には慣れ親しんだFilemakerがこれに近いかななんて思いますが。。。Filemaker cloudみたいなシステムが出てきたらおもしろい。Filemakerさん作ってくれないですかね。)


「より近づいてきたビジネスとIT。この先は?」

 この先、数年後にこのようなソリューションが複数出てきたとき、ITコンサルはどう変化していくのでしょうか。ビジネス要件の整理、プロジェクトマネジメント等のスキルに加え、PaaSやSaaSを(選定するだけでなく)インテグレートや簡易実装までできるスキルが必要になってくるのでしょうか。それとも要件と実装工程はこれまで通り分業されていくのでしょうか。。。

 どちらになるかはわかりませんが、ビジネス要件定義とシステム実装の距離がここ数年で飛躍的に近くなってきていることは間違いないっぽいです。

 

 私は中学生のとき少々プログラムをかじりましたが、黒い画面との格闘の中で「いずれ簡単になるんじゃないか」なんて考えていて、いったんその道を放棄しました。その数年後にMac、1995年以降はWindowsが普及し始め、そこから再びITに関心を持ち始めました。

 CUIのプログラミングは今も健在ですがOSのCUIの多くがGUIにとって変わられたように、アプリケーションをポイント・アンド・クリックで開発できるツールは今後も増えてきそうですね。

 ITが簡単になるといいことづくしのような感じもしますが、同時にユーザーリテラシもどんどん高くなっていくので、ユーザー要求も高まっていくと思います。レガシーシステムとの統廃合どうする?、セキュリティ対策大丈夫?等、またあらたな問題も発生してきそうです。

 

 今後ITが簡単になると、仕事のスコープもどんどん変化していくはず。

 日々世の中の変化へのアンテナを尖らせ、次世代型仕事人に本質的に何が必要なのか引き続き考察と実践を繰り返していきたい今日この頃です。

 

 

f:id:socialinnovators:20131111153327p:plain

By Teacher?