デジタルマーケティング隆盛時代
「購買行動プロセスを探る」
消費者の購買行動プロセスを体系化した「AIDMAモデル」。
お聞きになられたことがある方も多いと思いますが、改めて調べると、1920年代のアメリカにおいて販売・広告に関する実用書の著作者であるサミュエル・ローランド・ホール氏の提唱から始まります。
1.Attention(注意)
2.Interest(関心)
3.Desire(欲求)
4.Memory(記憶)
5.Action(行動)
まずは消費者に対して、財(商品・サービス)について存在を認知させないといけません。
続いて、その財に顔を振り向くよう関心を持たせ、さらにそれは”良いモノである”と欲求本能にアプローチします。
さらに、その欲求を一時的ではなく、継続して記憶させ、最終的にその財を見つけた際に購入してもらう。
ここまでのプロセスに対して段階的に施策を行うことが重要とされていますが、前述の通り、このプロセスが提唱されたのは90年以上も前になります。
ちなみに日本の歴史では大正から昭和に変わる頃でしょうか。
「時代変化に伴うモデルの変化」
AIDMAモデルがマーケティングプロセスの根幹となるのは変わりないのですが、昨今の時代変化に伴い、新たなプロセスが提唱されるようになりました。
その一つが「AISASモデル」です。元々、電通が提唱した理論ではありますが、Webサイトでの購買行動が当たり前の現在、この理論の方がしっくりきます。
1.Attention(注意)
2.Interest(興味)
3.Search(検索)
4.Action(行動)
5.Share(共有)
「注意」「興味」「行動」はAIDMAモデルと同じですが、「欲求」「記憶」に変わって「検索」「共有」が登場します。
興味を持ったらまずは検索・検索・検索・・・。一番安い店を探したり、同様の効用が得られる他の財と比較したり、Webが大活躍です。
そして実際に行動(購入)したら、その財が良かろうが悪かろうがソーシャルサイトで共有し(いわゆるクチコミ)、自身の行動に対して正当性を見出そうとする(実に人間的な行動ではありますが)
さらに、ソーシャルに特化した「SIPSモデル」等、めまぐるしく進歩するWeb技術に応じて、マーケティングモデルも日進月歩な状況です。
「システムとマーケティングのさらなる融合」
さて、「AISASモデル」では消費者が能動的に「検索」を行い情報を収集することを示していますが、今後のモデルとして「検索」に代わる受動的な「薦められる(be recommended)」がポイントになるのではと考えます。
消費者が能動的に検索するのではなく、財の供給者側が各消費者の「興味」を個別に見極め、適切なタイミングで適切な財をお薦めする。
消費者は多大な労力をかけて検索することなく、常に欲しい財についての情報が提供され、購買行動の機会損失を減らすことができます。
システム目線で考えた場合、消費者とのつながりを長期的に継続していくCRMの概念に加え、効果的なデジタルマーケティングの仕組みを構築することが、これらを実現するキーとして今まで以上に重要になってくるのではないでしょうか。
リソースの限られる中小企業等においてもクラウドを利用することで手軽に始めることができる時代ですしね。
by いのってぃ